
令和7年に改正された労働安全衛生法では、「高年齢労働者の労働災害防止の努力義務化」が盛り込まれています。この改正では、国が当該措置に関する指針を公表することとされており、現在開催されている「高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」で取り上げられています。
ガイドラインが指針に格上げ
高年齢労働者の労働災害防止対策としては、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」(令和2年3月策定)が公表され、取組みが促されてきました。
今般の指針策定の方針としては、法的根拠のない現行のガイドラインについて、法律に基づく指針に格上げし、現行のガイドラインを廃止するとしています。
現行のガイドラインの項目や内容が基本とされるようですが、新たな追加・修正項目として以下のような点が挙げられています。
・経営トップによる方針表明及び体制整備
・危険源の特定等のリスクアセスメントの実施
・高年齢労働者の体力の把握方法
・高年齢労働者の体力に応じた対応
・安全衛生教育
早めの取組みを
検討会の資料によれば、企業が「高年齢労働者の労働災害防止対策に取り組んでいない理由」として、「自社の60歳以上の高年齢労働者は健康である」と回答した企業が約半数を占めたそうです。身体機能の低下による労働災害のリスクへの理解が進んでいないことが指摘されています。
高齢化が加速する中、企業としては、高年齢労働者の労働災害対策は避けては通れない課題です。
助成金等、国による支援も活用しつつ、早めの取組みを検討したいところです。
社外の意見も聞いてみたいと思ったら、お気軽にお声掛けください。
【参考】厚生労働省>第2回「高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会」資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_63946.html