
2025年3月で65歳までの雇用確保義務の経過措置が終了し、すべての企業で完全実施が求められています。しかし、高年齢者の継続雇用については多くの企業が「仕方なく雇用継続する」という後ろ向きの発想(福祉的雇用)に留まっているのが現実で、これは大きな機会損失です。
高齢者が持つ豊富な経験と知識を適切に活用し、組織の貴重な資産とするために効果的なアプローチは「役割の再定義」です。従来の業務をそのまま継続させるのではなく、高齢者の強みを活かせる新しい役割を創出します。例えば、技術継承のメンター役、新人教育の指導者、顧客との長期的関係構築の担当者などです。
世代間連携で生産性を向上させる
高齢者雇用成功の鍵は「世代間連携」にあります。
若手の斬新なアイデアとベテランの経験を組み合わせることで、相乗効果を生み出せます。
具体的な手法には、「リバースメンタリング」があります。
ITスキルは若手が高齢者に教え、業界知識や顧客対応のコツは高齢者が若手に伝授するといった双方向の学習システムです。仕事に必要な情報をお互いに提供し合える関係性が構築されることで、知識の共有はもちろん、アイデアの活性化にもつながり、業務の改善・効率化にも有益です。
これからは“高齢労働者”ではなく、「ノウハウ人材」や「後継育成人材」という認識に改めたほうがよいでしょう。高齢者雇用は「コスト」ではなく「投資」だという経営者の意思表示も重要です。
制度設計や運用面では、年齢に応じた労働条件の設定、安全衛生管理、労働時間の配慮など、高年齢者雇用安定法に基づく適切な対応が求められます。法的リスクを回避しながら効果的な高齢者活用を実現しましょう。
社内だけでなく社外の意見も聞いていみたいとおもったらお気軽にお声掛けください。