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若い世代が考える仕事と育児の両立

厚生労働省の広報事業「共育(トモイク)プロジェクト」は7月30日、15歳から30歳の若年層1万3,709人を対象に実施した「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」(速報)を公表しました。

 

調査によると、若年層の64.8%が「共育てをしたいが、実現のためには社会や職場の支援が必要」と回答しました。共育ての必要性は広く認識されているものの、制度や環境面での支援整備が課題として浮き彫りになっています。また、育児や家事の分担については約7割が「性別は関係ない」と回答し、男女の役割に関する意識変化が明確です。

 

※「共育て」とは、パートナー同士が協力し合って、家事・育児に取り組むことをいいます。

 


育児休業取得意向の高さと理想の働き方

育児休業の取得意向は高く、若年社会人の71.8%が育休取得を希望しています。そのうち約8割が「1か月以上の育休取得」を希望していることもわかりました。理想の働き方としては「仕事と家庭の両立」や「柔軟な働き方」を重視する傾向が強く、理想の働き方が実現した場合に「仕事のモチベーションが高まる」と回答した割合は74.4%にのぼっています。

 

一方、理想の働き方が実現できていない若年層は、子育て期間中の離職意向が理想の働き方ができている層に比べて24.3ポイント高いことも明らかになりました。

 

企業に求められる具体的支援策

若年層が理想の働き方を実現するために望む支援としては、「残業時間の抑制」(22.3%)、「在宅勤務の活用」(22.1%)、「有給休暇の取得促進」(21.6%)が挙げられています。これらの支援は離職抑止や働きやすさ向上に寄与すると考えられます。

 

また、厚生労働省の調査によれば、2024年度の男性育児休業取得率は40.5%で、2025年度には50%の取得率達成を目指しています。若年層の育児や共育てに対する意識の変化に合わせ、企業側は制度の充実と職場環境の整備を一層進める必要があります。

 

 

仕事と育児の両立は、個々の社員だけでなく、企業の持続的な成長や社会全体の活力にも影響を与える重要なテーマです。今後も若年層のニーズを踏まえ、多様な働き方と支援体制の構築が求められます。

 

将来に向けて人事労務管理を見直したいとお考えでしたら、お気軽にお声掛けください。

 

 

【参考】厚生労働省>若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査(速報)

https://www.mhlw.go.jp/content/001527094.pdf