
最近、職場での転倒事故が増えています。
東京労働局の調査によれば、休業4日以上の労働災害の約3割が転倒によるものでした。
ヒトの筋肉量は30歳以降年間1%くらいの割合で減少していき、40歳代からは加齢に伴う身体機能の低下が徐々に始まるとされており、筋力低下やバランス感覚の衰え、視力の変化が転倒のリスクを高めます。フレイルとは、加齢によって心身の機能が低下し、外部の変化に対応しにくくなる状態であり、早めの対策が重要です。
「まだ大丈夫」と思っていても、身体機能の衰えは思ったより早く始まります。
職場環境と日常業務の見直しによる転倒対策
転倒災害は予防できる事故です。
まずは通路の整理整頓、適切な照明、滑りやすい床面の改善など、基本的な安全対策を徹底しましょう。
4S(整理・整頓・清掃・清潔)活動や危険の見える化、危険予知(KY)活動を取り入れ、従業員全員が危険箇所を把握しやすくすることも効果的です。
身体機能維持への日常的な取組み
転倒防止には個人の身体機能維持も不可欠です。
厚生労働省は年齢に関わらず筋力トレーニングやストレッチの実施を推奨しています。
朝礼や業務の合間に簡単な体操や柔軟運動を取り入れる、意識的に階段を使うようにするといった対策で、転倒リスクを大きく減らすことが可能です。
定期健康診断で視力やバランス機能の変化を定期的にチェックし、必要な対応を行いましょう。
40歳を過ぎたら早めの対策を心がけることが、安全確保につながります。高齢化が進む中、従業員の年齢に合わせた安全対策は、健康維持や生産性向上にも直結する重要な経営課題です。
職場の安全衛生管理を見直してみませんか。
ご不明な点などございましたらお声掛けください。
【参考】東京労働局>令和6年労働災害発生状況
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/002254463.pdf