
法務省が、中小企業向けの取組み事例集「『ビジネスと人権』ファーストステップ」を公表しました。
人権尊重の活動に着手しようとする中小企業や、課題解決に取り組む企業を支援することを目的として、法務省の委託により公益財団法人人権教育啓発推進センターが制作したもので、企業の実践的な事例を紹介しています。
企業が配慮すべき人権リスクの種類
事例集では、企業が配慮すべき人権リスクについて、26の主要な類型を挙げています。人権リスクは26類型がすべてというわけではなく、社会の変化に伴い、求められる人権尊重の在り方も変化していきます。26の類型の中では、よく耳にするパワハラやセクハラなどのハラスメントのほかにも、過剰・不当な労働時間や、プライバシーの権利など、企業経営においては身近な話題も人権リスクになり得ることを示しています。
人権尊重への取組みの具体的なプロセスと9社の事例
企業による人権への影響は多岐にわたるため、最初から社外での人権リスクに取り組もうとすることは難しいので、まずは自社での人権尊重への取組みを検討することをすすめています。
自社でできる取組みは、以下の3つの枠組みで整理することができます。
(1)人権方針の策定
人権尊重責任を果たすという姿勢・意思を示す。
(2)自社が与える影響の評価と対処(人権デュー・ディリジェンスの実施)
自社の事業が社内外で起こしてしまう可能性のある人権リスクを特定し、防止や是正を行う。
(3)救済
人権リスクが顕在化している場合に直ちに助けられる仕組みをつくる。
また、9社の好事例を紹介し、これから人権尊重の取組みを始めようとする企業のきっかけにしてもらいたいとしています。本冊子の最後には、法務省の人権擁護機関が実施する企業への人権研修も紹介しています。
ハラスメント対策や服務規律の見直しなどの際に事例集を参考にしてみてはいかがでしょうか?
ご不明な点などございましたらお声掛けください。
【参考】法務省>「ビジネスと人権」ファーストステップ~中小企業向け取組事例集~
https://www.moj.go.jp/content/001437123.pdf