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令和7年度の地方労働行政運営方針:「フリーランス等の就業環境の整備」について

厚生労働省は4月1日、「令和7年度地方労働行政運営方針」を策定しました。

 

各都道府県労働局においては、この運営方針を踏まえた行政運営方針を策定し、計画的な行政運営を図ることとしています。

 

運営方針には、重点的に取り組むべき施策として、「最低賃金・賃金の引上げに向けた支援、非正規雇用労働者への支援」「リ・スキリング、ジョブ型人事(職務給)の導入、労働移動の円滑化」「人手不足対策」「多様な人材の活躍促進と職場環境改善に向けた取組」が挙げられています。

 

以下、「多様な人材の活躍促進と職場環境改善に向けた取組」の中にある「フリーランス等の就業環境の整備」について紹介します。

 


現状の課題

フリーランスが安心して働ける環境を整備するため、令和6年11月に施行された特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(「フリーランス法」)の履行確保を図る必要があるとしています。

 

同法は、発注事業者に、

(1)取引条件の明示等を義務付け、報酬の減額などを禁止するとともに、(2)フリーランスの育児介護等に対する配慮やハラスメント行為に係る相談体制の整備等を義務付けるものです。

 

また、自らの働き方が労働者に該当する可能性があると考えるフリーランスからの相談にも丁寧に対応する必要があるとしています。

 

取組事項

フリーランスから本法の就業環境の整備違反に関する申出があった場合に、速やかに申出内容を聴取し、発注事業者に対する調査、是正指導等を行うなど、本法の着実な履行確保を図るとするものです。

 

また、フリーランスから委託事業者等との取引上のトラブルについての相談があった際には、引き続き「フリーランス・トラブル110番」(弁護士に無料で相談できる)を紹介するなど適切に対応するとしています。

 

さらに、全国の監督署に設置されている「労働者性に疑義がある方の労働基準法相談窓口」に申告がなされた場合には、特段の事情がない限り、原則として労働者性の有無を判断し、必要な指導を行うとします。

 

また、被用者保険の更なる適用促進を図るため、監督署において労働基準法上の労働者と判断した事案については、日本年金機構年金事務所および労働局労働保険適用徴収部門への情報提供を徹底するとしています。

 

 

【参考】厚生労働省>「令和7年度地方労働行政運営方針」の策定について

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56672.html

 

【参考】厚生労働省>労働基準法の「労働者性」の判断基準について

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xgbw-att/2r9852000000xgi8.pdf

 

【参考】公正取引委員会フリーランス法特設サイト

https://www.jftc.go.jp/freelancelaw_2024/