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有給休暇の取得率上昇とプレゼンティーイズム

厚生労働省から令和6年「就労条件総合調査」の結果が公表されました。

 

令和5年の1年間に企業が付与した年次有給休暇(繰越日数を除く。)の取得率は65.3%(同62.1%)となり、昭和59年以降最も高くなっています。

 

10年ほど前には40%台後半でしたので、実に20パーセントポイントほども急上昇していることになります。

 


プレゼンティーイズム

こうした流れの中で、職場の管理職の中には「最近の若い者は休みばっかり取っている」と感じる向きがあるかもしれません。

 

もしかすると、それは「プレゼンティーイズム」に陥っているからかもしれません。プレゼンティーイズムとは、単に職場に物理的に存在することを重視する傾向や、長時間労働を美徳とする考え方を指します。実際の生産性や成果よりも、職場にいることを偏重する誤った労働観、という意味で使われる言葉です。

 

プレゼンティーイズムに凝り固まるのは問題がありますが、一方で、その場にいないとコミュニケーションが不足したり報連相がスムーズにいかなくなるのも事実でしょう。

 

新しい連絡ツールなどがいろいろと登場しているとはいえ、その場にいること、リアルな対面での情報交換の重要性が消えてなくなることはないでしょう。

 

何事もバランスの問題かもしれません。

バランスの取れた判断をするためには職場のリーダーや管理者の意識が重要となります。

 

「会社の売上が減っているのに休みばっかり取って……」と不満を抱えて憂鬱になるより、売上減の要因を探って対策を考えるほうが建設的でしょう。

 

社内規程のアップデートも忘れずに

時代に適合しない企業は生き残れません。

リーダーの考え方にアップデートの余地がないか、ちょっと立ち止まって考えてみるのも有益かもしれません。就業規則などの社内規程のアップデートも忘れずにしておきましょう。

 

 

ご不明な点などございましたらお声掛けください。

 

【参考】厚生労働省>令和6年就労条件総合調査結果の概況

https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/24/index.html