11月6日に開催された労働政策審議会安全衛生分科会に、50人未満事業場へのストレスチェック実施を義務化する案が示され、概ね了承されました。
今後は厚生労働省が報告書をまとめ、来年の通常国会に労働安全衛生法の改正法案が提出される見通しとなっています。
精神障害の労災支給決定件数が、ストレスチェック制度の創設された2014年に比べ約2倍に増えている一方、50人未満事業場ではメンタルヘルス対策に取り組む事業場の割合が低い(令和5年労働安全衛生調査による)ことから、実施義務の範囲が拡大されることとなりました。
実施負担に配慮した施策が講じられる
案では、実施結果の監督署への報告義務は課さない、また、50人以上の事業場における実施内容を一律に求めることは困難として、国が現実的で実効性のある実施体制・実施方法についてのマニュアルを作成する、との方向性が示されています。このほか、支援体制の整備等のため、施行までに十分な準備期間を設ける、ともされています。
ちなみに、制度創設当時のスケジュールでは、改正法公布(2014年6月25日)から施行(2015年12月1日)を経て、1年以内(2016年11月30日まで)に第1回目を実施することとされました。
「集団分析・職場環境改善」は努力義務
ストレスチェック制度では、集団分析を実施し、その結果を勘案して「当該集団の労働者の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずる」努力義務も課されていますが、50人以上の事業場も含めて、「義務とすることは時期尚早」とされたため、義務化は見送られました。
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【参考】厚生労働省>第170回労働政策審議会安全衛生分科会(資料)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44958.html