中小企業庁は3月29日、「令和5年中小企業実態基本調査(令和4年度決算実績)」の速報を公表しました。
この調査は中小企業の財務情報、経営情報などの把握を目的に、業種横断的な実態調査として毎年行っているもので、今回は20回目となります。
「建設業」「製造業」「情報通信業」「運輸業、郵便業」「卸売業」「小売業」「不動産業、物品賃貸業」「学術研究、専門・技術サービス業」「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」「サービス業(他に分類されないもの)」の合計11産業の中小企業から調査対象約11万社を無作為に抽出して実施しています。
今回の調査は、有効回答45,723社(有効回答率41.7%)を基に推計しています。
1企業当たりの売上高・経常利益・従業者数はいずれも増加
企業当たりの売上高は2.1億円(前年度比15.9%増)、経常利益は978万円(同12.4%増)、従業者数は10.0人(同8.3%増)といずれも増加しています。
産業別でみると、
売上高は全11産業で増加し、経常利益は「不動産業、物品賃貸業(前年度比27.8%増)」「小売業(同25.3%増)」など9産業で増加。
従業者数は「サービス業(他に分類されないもの)」が前年度比21.7%増、「運輸業、郵便業」が同16.0%増など9産業で増加しています。
設備投資を行った法人企業はわずかに減少、新規リース契約を行った法人企業は微増
設備投資を行った法人企業の割合は21.9%で、前年度差0.3ポイント減となっています。
産業別にみると、
減少しているのは「運輸業、郵便業(前年度差5.7ポイント減)」「卸売業(同2.6ポイント減)」など6産業でした。
一方、新規リース契約を行った法人企業の割合は12.5%(前年度差0.7ポイント増)で、
産業別にみると、
増加しているのは「建設業(同2.6ポイント増)」「生活関連サービス業、娯楽業(同1.7ポイント増)」など7産業でした。
中小企業の社長の就任経緯は「創業者」「親族内での承継」の割合が高い
中小企業の社長の就任経緯別構成比は、「創業者(47.6%)」「親族内での承継(41.4%)」が高くなっています。
産業別にみると、「創業者」の割合は「学術研究、専門・技術サービス業(72.1%)」「情報通信業(68.5%)」などで高く、「親族内での承継」は、「製造業(58.1%)」「不動産業、物品賃貸業(56.0%)」などで高くなっています。
また、事業承継の意向は、「今はまだ事業承継について考えていない」が42.3%と最も高く、次いで「親族内承継を考えている(24.3%)」「現在の事業を継続するつもりはない(23.4%)」の順となっています。
【参考】中小企業庁>令和5年中小企業実態基本調査(令和4年度決算実績)速報を取りまとめました
https://www.meti.go.jp/press/2023/03/20240329008/20240329008.html