
公益財団法人日本生産性本部は、「労働生産性の国際比較2023」を公表しました。
この調査では毎年、経済協力開発機構(OECD)のデータ等をもとに、日本の労働生産性の国際的位置づけや変化の動向について分析・検証しています。
労働生産性とは、労働者1人あたりまたは時間あたりの付加価値(成果)を数値化したものをいいます。
過去最低を更新
2022年の日本の1時間あたりの労働生産性は、52.3ドル(前年比0.8%増、5,099円)で、OECD加盟38カ国中30位(昨年28位)で、4年連続で順位を落とし、比較可能な1970年以降で過去最低を更新しました。
1位がアイルランド(154.1ドル)、2位がノルウェー(149.9ドル)3位がルクセンブルグ(124.0ドル)と続いており、日本はポルトガル(52.6ドル)やスロバキア(51.7ドル)と同水準でした。
OECD加盟国の平均は65.2ドルでした。
また、日本の労働者1人あたりの労働生産性は85,329ドルで、OECD加盟38カ国中31位でした。
コロナ禍からの経済回復の遅れも
本調査では、コロナ禍以降の労働生産性の変化(2020年4~6月期以降の動向)についても分析しました。
1人あたりの労働生産性をコロナ前(2019年)の水準と比較すると、コロナ前を上回る国は38カ国中28カ国で、
日本(2019年対比99.6%)やフランス(同96.5%)などは回復が遅れていると分析しています。
一方、米国(同104.5%)やイタリア(同103.4%)、英国(同101.8%)ではコロナ前水準を上回っています。
最も改善しているのは、2019年対比で122.5%と2割以上も上昇しているアイルランドでした。
日本は2020年4~6月期以降の労働生産性の上昇率は小幅であるものの、
2021年4~6月期から回復傾向が続いていますが、2023年になると上昇幅が少しずつ縮小してきています。
【参考】日本生産性本部>「労働生産性の国際比較2023」
https://www.jpc-net.jp/research/list/comparison.html