シニアの働き方に関し、シニア自身、同僚となる若手、雇用主である経営者等、それぞれを対象とした個別の調査はよく行われていますが、それらを同時に行った調査はあまり見かけません。そのような中、特定非営利活動法人YUVECの調査「シニア雇用ならびにシニアの働き方に関するアンケート」は、調査対象それぞれの感じ方が同時にわかる調査となっています。
経営者・シニアそれぞれの考える問題点
初回となる2020年度調査では、下記のような傾向(いずれも複数回答)が明らかになりました。
経営者が問題だと思うシニアの資質
①自分のやり方、経験に拘る(66.7%)、
②ITに弱い(37.0%)、
③新しいことを憶えてくれない(29.6%)、
④自分の経験を自慢する(22.2%)
シニアが感じている一般的なシニアの問題点
①フルタイム勤務を嫌がる(49.7%)、
②ITに弱い(39.9%)、
③自分のやり方・経験に拘る(39.9%)、
④新しいことを憶えない(17.5%)
この傾向は3回目となる2022年度調査でもおおむね同様で、経営者はシニアが考えるほどフルタイムで働かないことを嫌ってはおらず、むしろ自分のやり方や経験に拘ることを嫌っている点、シニア自身の感じ方とは著しい乖離があります。
若手・中堅が望むシニア像
一方、職場で同僚となる若手・中堅層が望むシニア像としては次のような回答が上位に来ています(4位は同率)。
①人柄がよい、
②技術、経験、業界(商品)知識、人脈等会社に役立つ何かを持っている、
③自ら手を動かす、
④過去の事例に詳しく、自分の仕事の役に立つ、
④若手とうまくコミュニケーションができる
人手不足感がますます強まる中、シニアを特別視せず、シニア雇用のメリットを活かした職場づくりを考えるにあたっては、このような調査も参考としたいですね。
【参考】特定非営利活動法人YUVEC>2022年度版シニア雇用ならびにシニアの働き方に関するアンケート
https://www.yuvec.org/news/mada-dekiru-hito/2023/03/22/7693/