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仕事と育児の両立支援、企業の半数が「業務に支障あり」

東京商工リサーチは、全国の企業を対象に「少子化対策」に関するアンケート調査を実施し、結果を公表しました。政府が進める少子化対策のうち、仕事と育児の両立支援について、企業の半数が「業務に支障が出る」と回答する結果となっています。調査はインターネットにより実施し、有効回答5,283社を集計、分析したものです。

 

※調査期間は令和5年6月1日~8日。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義。

 


少子化対策の導入で「業務に支障が出る」と回答した企業は約半数

「少子化対策として、3歳までの子どもを持つ従業員の在宅勤務やフレックスタイム制の適用、就学前までの残業免除権の拡大などが検討されています。導入した場合、貴社の業務に支障が出そうなものは次のどれですか?(複数回答)」の質問に対し、「3つの選択肢のうち1つ以上支障が出る」との回答が、全企業の49.9%でした。

 

「支障あり」と回答した企業を規模別に見ると、「資本金1億円以上(大企業)」が51.9%、「同1億円未満(中小企業)」が49.6%と、大企業が2.3ポイント程度上回っています。

 

従業員が少ないほど「業務に支障あり」が低い傾向

従業員数別では、「支障あり」と答えたのは「300人以上」(59.7%)が最多でした。一方「5人未満」は25.7%で、「300人以上」と34.0ポイントもの差が見られました。

従業員数が少ないほど「支障あり」と回答した企業の割合が低い結果となっています。

 

この結果について東京商工リサーチは、「中小・零細企業は、従業員の高齢化や採用難などで少子化対策の両立支援策が必要な年代が少ないことも要因と思われる。支援策が広がると従業員が育児に取り組みやすくなる一方、中小・零細企業では出産・育児を行う世代の雇用をさらに抑制することが危惧される」と分析しています。

 

産業別の最多は「製造業」、業種別の最多は「学校教育」

産業別では、「支障あり」と答えた企業は「製造業」(55.3%)が最多で、次いで「建設業」が52.8%、「小売業」が52.4%と、これら3産業では過半数を占めています。

また、業種別(母数10社以上)では、「支障あり」が最も高かったのは「学校教育」の81.8%でした。

 

少子高齢化はこれからが本番です。

会社をこれからの未来も続けたい、残したい、、、とお考えであれば、「定年まで」「死ぬまで」この会社で働きたい、、、と思わせる雇用管理の実現が、これからの中小企業の重要な経営・人材戦略なのかもしれません。

 

「メンバーシップ型からジョブ型へ」

経営・人材戦略を検討するにあたり、検討する余地は十分にあるでしょう。

 

ご不明な点などございましたらお声掛けいただければ幸いです。

 

 

【参考】株式会社東京商工リサーチ>仕事と育児の両立支援 企業の半数が「業務に支障」、「支障あり」最多は「3歳までの在宅勤務」が4割

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1197745_1527.html