「ニューロダイバーシティ」という言葉をご存じですか?
これは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)を組み合わせて造られた言葉(Neurodiversity、神経多様性/脳の多様性)です。
脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重しようとする考え方をいい、例えばASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)などの発達障害も、脳や神経の「個性」であると位置づけます。
そして、この個性を強みとして最大限発揮できる雇用環境を創出する動きが欧米の企業を中心に活発化しており、日本においても近時、障害者雇用と企業の成長戦略を考える上で注目を集めているのです。
ニューロダイバーシティの目指すところ
発達障害がある方は、特にコミュニケーションや対人関係を苦手とする場合が多く、それが就労を難しくしています。しかし反面、一部の人は非常に高い集中力を持ち、興味のあるジャンルについては高い専門性や知識を備えていることもまた、よく知られているところです。
現在、日本では、少子高齢化により生産年齢人口が減少する一方で、障害者の法定雇用率は半分の企業が満たしていません。このような状況にあって、これまで埋もれていた発達障害者が積極的に採用されて活躍できるようになることが望まれています。
例えば採用プロセスの工夫や、職場での理解の醸成、強みを生かすことのできる仕事やポジションの提供などにより、多くの方が能力を発揮して働く職場をつくることができれば、それは企業の競争力の強化にもつながります。
戦略的に目を向けよう!
現在、実際にIT企業において、発達障害のある方のデジタル分野での高い業務特性を生かして収益化等に成功した事例も生まれ始めています。
国も、特に人材確保が喫緊の課題となっているデジタル部門にフォーカスして、企業がニューロダイバーシティを取り入れる意義とその方法論を取りまとめるなど、取組みを始めました。企業の成長戦略の1つとして、ニューロダイバーシティに目を向けてみませんか。
【参考】日本財団ジャーナル>発達障害の特性を企業の成長戦略に。「ニューロダイバーシティ」へ転換するには?
【参考】経済産業省>ニューロダイバーシティの推進について