「強制労働の廃止に関する条約(第105号)の締結について承認を求める件」が令和4年6月8日、参議院本会議において全会一致で承認されました。政府は今後、ILO事務局長に批准書を寄託、その後に条約批准の効力が発生します。
◆「強制労働の廃止に関する条約」とは、、、
1957年6月25日に採択された条約(条約発効日は1959年1月17日)で、強制労働について定めています。
「この条約を批准する国は、次に掲げる手段、制裁または方法としてのすべての種類の強制労働を廃止し、これを利用しないことを約束する。
a.政治的な圧制もしくは教育の手段、または政治的な見解もしくは既存の政治的・社会的もしくは経済的制度に思想的に反対する見解を抱き、もしくは発表することに対する制裁
b.経済的発展の目的のために、労働力を動員し利用する方法
c.労働規律の手段
d.ストライキに参加したことに対する制裁
e.人種的・社会的・国民的または宗教的差別待遇の手段
この条約を批准する国はまた、前記のような強制労働を即刻かつ完全に廃止するために必要な効果的な措置をとることを約束する。」
ILOの8つの国際的労働基準と日本の批准状況
ILOが定める国際労働基準(中核的労働基準4分野・8条約)は、以下の通りです。
日本はこれから105号を批准することになるので、111号のみ未批准となります。
1.結社の自由・団体交渉権の承認
- 結社の自由及び団結権の保護に関する条約(87号)
- 団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約(98号)
2.強制労働の禁止
- 強制労働に関する条約(29号)
- 強制労働の廃止に関する条約(105号)
3.児童労働の禁止
- 就業の最低年齢に関する条約(138号)
- 最悪の形態の児童労働の禁止及び廃絶のための即時行動に関する条約(182号)
4.差別の撤廃
- 同一価値の労働についての男女労働者に対する同一報酬に関する条約(100号)
- 雇用及び職業についての差別待遇に関する条約(111号)
【参考】ILO>国際労働基準>1957年の強制労働廃止条約(第105号)
https://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_239074/lang--ja/index.htm
【参考】ILO>国際労働基準
https://www.ilo.org/tokyo/standards/lang--ja/index.htm