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賃金不払残業に関する監督指導_令和2年度の是正企業数は?

厚生労働省から、「監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)」が公表されました。

 

あわせて、監督指導の対象となった企業における賃金不払残業の解消のための取組事例も公表されています。

 

そのポイントと主な取組事例を紹介します。

 


令和2年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント

  • 是正企業数→1,062企業(前年度比549企業の減)そのうち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、112企業(同49企業の減)
  • 支払われた割増賃金合計額→69億8,614万円(同28億5,454万円の減)
  • 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり658万円、労働者1人当たり11万円

 

主な取組事例/業種:小売業

「退勤処理を行った後に働いている者がいる」との情報を基に、労基署が立入調査を実施。労働者からの聴き取り調査を実施したところ、退勤処理後に労働をすること、出勤処理を行わず休日労働をすることがある旨の申し立てがあり、賃金不払残業の疑いが認められたため、実態調査を行うよう指導。

企業は、実態調査を行い、不払いとなっていた割増賃金を支払った。

 

企業が実施した解消策

[1]代表取締役自ら賃金不払残業解消に関するメッセージ(労働時間の正しい記録、未払賃金の申告)を発信し、発信内容を社内のイントラネットに掲載するなどして、会社一丸となり賃金未払残業を解消することを周知した。

 

[2]36協定の上限時間数を超えないために、時間外労働の適正な申請をためらうことが賃金不払残業の一因となっていた。このため、各店舗の勤務状況の実態調査を行い、人員不足や業務過多の店舗に対する人員確保や本社からの応援を行い、店舗の業務が過度に長くならないような措置を講じた。

 

 

令和2年度は、ほとんどの項目で、前年度に比べ減少傾向となっていますが、支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり658万円ということで、簡単に支払える金額ではありません。

 

令和2年4月1日施行の改正で、労働基準法における賃金の消滅時効の期間が「2年」から「5年(当分の間3年)」に延長されたこともありますので、日頃から、労働時間は適正に把握しておく必要があります。

 

【参考】厚生労働省>監督指導による賃金不払残業の是正結果

https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/chingin-b.html