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復職後の就労継続率に大きな違いが!リワークプログラムを上手に利用しましょう

精神疾患の患者数は年々増え続けています。特に昨今、新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの人がメンタルヘルス不調になっており、日本うつ病学会では、感染への恐怖、社会的な役割の喪失、自分自身への無力感、孤立や偏見、他者に感染させる不安、経済的な困窮、制限や自粛への怒りなどといったストレス要因から、その数は今後も増えていく可能性があると指摘しています。

 

すでに多くの企業では、精神疾患により休職した従業員が生じた場合の対策も講じられているところかと思いますが、改めて、自社の制度や運用について見直しておくことが必要です。

 


リワークプログラムの利用が有効

休職した従業員の職場復帰に際しては、リワークプログラム(復職支援プログラム/職場復帰支援プログラム)を経ることとするのが有効です。

 

リワークプログラムを利用した群と利用しなかった群について、復職後の就労継続率を比較したところ、復職後1,000日時点で、利用した群の継続率が7割弱だった一方、利用しなかった群は2割弱だったという調査結果があります。また、プログラムを利用した人に比して、非利用者の再休職のリスクは1.89倍でした。復職を考え始めた従業員には、プログラムの利用を勧めたいものです。

 

活用を検討したい「医療リワーク」

近時関心が高まっているのは、医療機関で実施する「医療リワーク」です。

再休職の予防を最終目標として、働き続けるために病状の回復と安定を目指した「治療」として行われるものであり、診療報酬上の枠組みで、医師や看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職など他職種の医療専門職による医学的リハビリテーションとして実施されます。

 

プログラムを受けるためには転医が必要な場合があるなど、制約が生じることもありますが、復職後のうつ病再発予防に有効とされています。

 

上手に活用していただき、スムーズな復職とその後の就労継続につなげましょう。

 

 

【参考】一般社団法人日本うつ病リワーク協会>リワークプログラムについて

https://www.utsu-rework.org/rework/

 

【参考】日本うつ病学会

https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/