国税庁から、「令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし」が公表されました。
紹介されている主要な改正項目を確認しておきましょう。
令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし/主要な改正項目のポイント
1.税務関係書類における押印義務の見直し
税務署長等に提出する源泉所得税関係書類について、押印を要しないこととする。
2.給与等の支払を受ける者が給与等の支払者に対し電磁的方法で申告書の記載事項を提供する場合の税務署長の承認の廃止
給与等の支払を受ける者が、給与等の支払者に対し、給与所得者の扶養控除等申告書などの一定の申告書の書面による提出に代えてその申告書に記載すべき事項を電磁的方法で提供する場合の要件である「税務署長の承認」を不要とする(令和3年4月~)。
3.退職所得課税の見直し
勤続年数5年以下の役員等以外の退職金について、雇用の流動性等に配慮しながら、退職所得控除額を控除した残額のうち300万円を超える部分について、2分の1課税の適用から除外する(令和4年分以降の所得税に適用)。
◆勤続年数5年以下の退職金に係る退職所得の金額の計算方法
●「退職金の額-退職所得控除額」が300万円以下
{〔退職金の額-退職所得控除額〕×2分の1}×税率
●「退職金の額-退職所得控除額」が300万円超え
{150万円(※1)+〔退職金の額-(300万円+退職所得控除額)〕}(※2)×税率
(※1)300万円以下の部分の退職所得の金額
(※2)300万円を超える部分の退職所得の金額
注.上記は、退職所得の金額の計算方法(その額の1000円未満の端数を切り捨てた額が「課税退職所得金額」)。
退職金から源泉徴収する所得税額等は、退職所得の金額に税率を乗じた額(具体的には、原則として、課税退職所得金額を「退職所得の源泉徴収税額の速算表」に当てはめて計算)。
4.住宅ローン控除の特例の延長等
住宅ローン控除の控除期間13年の特例を延長することとする。
また、この延長した部分に限り、合計所得金額が1,000万円以下の者について面積要件を緩和する(一定の期間に取得した家屋に、令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間に入居した者が対象)。
「退職所得課税の見直し」は、難解な改正といえますが、「令和3年4月源泉所得税の改正のあらまし」では、図解付きの設例を示すなど、丁寧に説明されています。以下を参照してください。
【参考】国税庁>源泉所得税の改正のあらまし令和3年4月
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0021004-072.pdf