厚生労働省の「事務所衛生基準のあり方に関する検討会」が、事務所における衛生水準のあり方および同基準を見直すことについて、報告書を公表しました。
事務所衛生基準規則は、労働安全衛生法に基づき、事務室の空調や明るさなどの環境管理、トイレ設備や更衣設備などの清潔を保持するための措置、休憩や休養などを行うための設備、救急用具等について定めたものです。昭和47年の施行以降、職場環境を整備するための基準とされてきました。
しかし、近年の労働者の多様性に対応するものとはいえず、時代に即したものとなるよう、見直しのための検討が行われていました。
報告書の見直し方針のポイント
報告書でまとめられた見直し方針の主なものは、次の通りです。
トイレ設備
●男性用と女性用とを区別して設ける原則、設置すべき便所の便房数の基本的考え方は維持。
●独立個室型の便房からなる便所(バリアフリートイレを含む)については、条件を満たす場合は1つの便所として取り扱う。
●少人数の事務所においては、男性用と女性用に区別しない独立個室型の便房からなる1つの便所をもって足りるとすることも選択肢に加えることが妥当。
●それ以外の事務所において、男性用便所、女性用便所に加えて設ける独立個室型の便所を1つの便所として取り扱うことが妥当。
休養室等
●休養室・休養所については、専用のスペースでなくても、随時利用が可能となるよう機能の確保に重点を置くべき。
照度
●一般的な事務作業における作業面(机上)の照度を150ルクス以上から300ルクス以上に、付随的な作業(粗な作業)における照度を70ルクス以上から150ルクス以上に見直すことが妥当。
以上のように、バリアフリートイレを含むトイレ設備については柔軟に、また労働者の健康面にはしっかりとした配慮がなされるよう見直される方針です。
厚生労働省は、本報告を踏まえ、事務所衛生基準規則および労働安全衛生規則の改正について、労働政策審議会において審議を行う予定です。
【参考】厚生労働省>「事務所衛生基準のあり方に関する検討会」の報告書を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17543.html
【参考】厚生労働省>事務所衛生基準のあり方に関する検討会
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_13194.html