1月に11の都府県に緊急事態宣言が発令され、今なおその多くの地域で期限が延長されています。
そのような中、政府は出勤者の7割減を目指して、企業にテレワークの徹底を求めています。
昨年春の緊急事態宣言発令を機に、これまで取組みが進んでいなかった企業でも、広くテレワークが導入されるようになりました。
一方で、緊急事態宣言後にテレワークをやめてしまったという企業も多く、テレワークの実施については様々な問題点も指摘されているところです。
テレワークの推進のために実施した対応
一般社団法人日本経済団体連合会は、1月15日~22日に緊急事態宣言下におけるテレワーク等の実施状況の調査(回答数505社(/1,468社))を実施しています。
調査によれば、大企業を中心に構成されているということもあり、9割の企業が原則テレワークを実施という結果になっています。
その中で、「昨年4月の緊急事態宣言以降、テレワークの推進のために実施した対応」に関する回答としては、
- 情報機器や通信環境の整備(95%)
- 業務内容やプロセスの見直し(87%)
- 人事制度や勤務体系の改定(66%)
- 研修の実施(30%)
が挙がっています。
その他回答として以下のようなものが挙がっており、参考になります。
- 社長名での社内通達
- オンライン会議の推進
- オンライン朝礼の実施による従業員の健康状態等把握
- リモートワーク手当の創設
- リモートハラスメント研修の実施
- 賃金保障の上での時短勤務
- 社外有識者へのヒアリング
- 採用・研修のオンライン化
1つずつ問題点を検討したうえで対策を
テレワークは企業規模が大きいほど導入率が高いという傾向があります。
中小企業では様々な理由から、対応に苦慮しているところも多いでしょう。
資料が電子化に対応していないこと、情報セキュリティ対策の難しさ、コミュニケーションの取りづらさ、そもそもIT環境が未整備であること(コスト増への対応)など、課題は多く挙げられます。
一方で、今後様々な手続業務について電子化が推進され、多くの企業でオンラインのやり取りが一般的な流れとなっていく中、テレワーク対応も不十分なままでは、今後の企業経営に影響が出ることは容易に想像できるところです。
現在、厚生労働省は、緊急事態宣言の発出を受けて、「テレワーク相談センター」の機能充実を図るため、オンラインでのコンサルティングの案内も行っています。労務管理のオンラインコンサルティングを5回まで無料で受けられるそうです。
自社独自の課題に対応するために、専門家の支援も得ながら、具体的な対策を検討していきたいところです。
【参考】一般社団法人日本経済団体連合会>緊急事態宣言下におけるテレワーク等の実施状況調査
https://www.keidanren.or.jp/policy/2021/011.pdf
【参考】厚生労働省>テレワーク相談センター