東京商工リサーチの調査結果によると、昨年に休廃業・解散(倒産以外で事業活動を停止)した企業は4万9,698件(前年比14.6%増)で、2000年の調査開始以降で最多を更新しました。また、休廃業・解散した企業の従業員は、12万6,550人(同26.4%増)で、2年ぶりに増加しました。
新型コロナウイルスの感染拡大による景気の悪化や、コロナ禍での政府や自治体からの支援があっても先を見通せないことなどにより、事業の継続をあきらめる企業が増えたことが浮き彫りになりました。
一方、昨年の倒産件数は7,333件(同7.2%減)と2年ぶりに減少しました。
こちらは国からの支援や金融機関のコロナ対策融資等によって倒産を抑えたことなどが考えられます。
業種別では?
業種別では、外出自粛などの影響を受けた飲食や宿泊を含む「サービス業他」が1万5,624件(前年比17.96%増)と最も多く、全体の31.4%を占めました。次いで、建設業が8,211件(同16.85%増)、小売業が6,168件(同7.29%増)となっています。
事業承継も課題
代表者の年齢別では、70代が最も多く41.7%で、60代以上が全体の84.2%を占めました。
代表者の高齢化、後継者難にコロナによる経営不振も重なり、やむなく廃業・解散したケースが多いと考えられ、後継者不足やスムーズな事業承継も引き続き課題となりそうです。
引き続きコロナ禍による影響が懸念材料
緊急事態宣言が期間延長となり、今後も事業継続をあきらめ休廃業・解散する企業は増えることが懸念されます。また、コロナ禍がさらに続くと倒産件数の増加も考えられます。
政府・自治体によるさらなる事業承継対策や休廃業・解散後の代表者や従業員への支援にも取り組んでいくことが望まれます。
【参考】株式会社東京商工リサーチ>2020年(令和2年)の全国企業倒産7,773件
https://www.tsr-net.co.jp/news/status/yearly/2020_2nd.html