昨今急速に普及したテレワークですが、働く人々のモチベーションにはどのような影響があるのでしょうか?
株式会社リクルートキャリアは、コロナ禍でテレワークをするようになった就業者2,272名に、仕事に関するアンケートを実施しました。
現在もテレワークを実施している人に働くモチベーションについて聞いたところ、テレワーク実施前では「やや低い」「非常に低い」の回答は14.1%であるのに対して、テレワーク実施後の同指標は22.5%(8.4pt増)でした。
つまり、テレワークによってモチベーションが低下した人が増えているのです。
モチベーションを左右する要素
社会組織心理学の第一人者であるハックマンは、取り組むべき仕事が次の5つの要素をどの程度満たしているかによって、人々のモチベーションが左右されるとしています。
[1]求められるスキルの多様性
[2]仕事の全体感の把握
[3]仕事の重要性の実感
[4]仕事の進め方の裁量
[5]上司や同僚からのフィードバック
この5つのうち、テレワークによって影響を受けたと感じた人が多かったのが、
[2]仕事の全体感の把握(テレワーク実施前後で20pt減)、
[3]仕事の重要性の実感(同13.2pt減)、
[5]上司や同僚からのフィードバック(同15.6pt減)でした。
普段以上にコミュニケーションを!
テレワークによるモチベーション低下を防ぐには、上記[2][3][5]に働きかけることが有効だと考えられます。
アンケートのフリーコメントからは、テレワークにより上司や同僚とのコミュニケーションが減少したことによって、これらの度合いが低くなったと感じている様子が読み取れます。
つまり、テレワークでは、普段以上に上司や部下、同僚間のコミュニケーションを密に行うこと、職場の全員がそれを心掛けることが必要です。
テレワークを“導入して終わり”にするのではなく、コミュニケーションをとりやすくするための施策(オンラインツールの活用、1on1の実施等)を行うことが成功の鍵といえるでしょう。
【参考】株式会社リクルートキャリア>新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査「働くモチベーション」はテレワーク実施前後で変化した?仕事の「全体像の把握」や「重要性の実感」、「他者からのフィードバック」に10pt以上の変化 「仕事の意義」や「周囲との関わり」の重要性が高まる
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2020/201222-02/