· 

職場での新型コロナウイルス感染予防に役立つマスクの素材と効果の知識

1月13日、政府は、東京、千葉、神奈川、埼玉の1都3県に続いて、大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、栃木、福岡にも緊急事態宣言を発令しました。

 

1月5日の新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言では、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」の掲載論文等を踏まえ飲食の場を中心とした対策が中心となっていますが、「全国的に急速に感染がまん延するおそれもある」ともされ、広く感染予防対策を徹底する必要があります。

 


マスク着用による予防効果は?

感染予防対策として、手指の消毒、マスクの着用、換気の実施が呼びかけられていますが、マスクの予防効果は、素材によって異なります。

 

昨年10月に国立大学法人豊橋技術科学大学が公表した実験結果では、マスク(不織布、布、ウレタン)とフェイスシールド、マウスシールドを着用した場合の変化が数値で表されています。

 

同実験結果によれば、吐出し飛沫の外部流出量が、着用なしを100%とした場合、不織布・布では20%程度に抑えられますが、ウレタンでは50%、マウスシールドでは90%と、効果に差があります。

 

また、吸込み飛沫量については、不織布では30%程度に抑えられますが、ウレタンでは60~70%、フェイスシールドやマウスシールドでは小さな飛沫に対しては効果なし、という結果になっています。

 

発声と飛沫量の関係は?

さらに、カラオケや飲食による感染が問題となっていることを受け、会話、大声、歌唱、飲食時における呼気流量がどのように変化するかの実験も行われています。

 

実験結果によれば、カラオケや大声で話す場合、大きな飛沫の量は、通常会話と比較しておよそ10倍増加し、飛沫が飛び出す勢いは1.5倍から2倍程度になるということです。

 

また、飛沫の到達距離は1.5倍程度増えるため、人との間隔を十分にとること、小さな飛沫の数もおよそ2倍となるため、十分な換気が必要ということです。

 

職場での感染予防のために

厚生労働省は、1月8日、労使団体や業種別事業主団体などの経済団体に対し、テレワークの積極的な活用、職場における感染予防、健康管理の強化等への協力を依頼しています。

 

自社の事業継続のためにも、積極的に職場での感染予防に取り組みましょう。

 

 

【参考】国立大学法人豊橋技術科学大学>令和2(2020)年度第3回定例記者会見

https://www.tut.ac.jp/docs/201015kisyakaiken.pdf

 

【参考】厚生労働省>緊急事態宣言発出を踏まえた職場における新型コロナウイルス感染症への感染予防及び健康管理について、経済団体などに協力を依頼しました

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_15882.html