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「雇用シェア」の活用と雇用調整助成金の受給要件

公益財団法人「産業雇用安定センター」は、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に雇用が過剰となった企業(送り出し企業)が人手不足等で悩む企業(受入れ企業)への出向のマッチングを無料で行う「雇用シェア」(在籍型出向制度)への支援を強化しました。

 

同センターは、6月から「雇用を守る出向支援プログラム2020」を開始し、送り出し企業と受入れ企業の人材ニーズに関する情報を収集、状況を把握し、異業種間の出向支援を行っています。

 


「雇用シェア」の具体的な事例

例えば、観光客の減少により観光バスの運転手の雇用維持に苦慮している観光バス会社の従業員を、従来からの人手不足に加えて、輸送量や出荷の増加していることからトラック運転手や倉庫関連の業務の人員確保として出向する事例や、旅館やホテルの従業員が病院の案内係として活躍などの事例が挙げられています。

 

雇用調整助成金の受給要件

厚生労働省は、「雇用シェア」を活用する場合に雇用調整助成金が受給要件を掲載したリーフレットを公開しました。

 

概要は下記のとおりです。

 

対象となる出向

  • 雇用調整を目的とする出向(経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図ることを目的に行う出向)であること
  • 出向後は元の事業所に戻って働くことを予定していること
  • 出向元と出向先が、親子・グループ関係にないなど、資本的、経済的・組織的関連性などからみて独立性が認められること
  • 玉突き雇用・出向(出向元で代わりに労働者を雇い入れる、出向先で別の人を出向させたり離職させる、出向元と出向先で労働者を交換するなど)を行っていないこと

助成額

出向元が出向労働者の賃金(注1)の一部を負担する場合、以下のいずれか低い額に助成率(注2)をかけた額を助成。

イ:出向元の出向労働者の賃金に対する負担額

ロ:出向前の通常賃金の1/2の額

※ただし、8,370円×330/365×支給対象期の日数が上限

(注1)出向労働者に出向前に支払っていた賃金とおおむね同額を支払うことが必要

(注2)助成率は、中小企業2/3大企業1/2

 

支給までの流れ

[1]出向先との契約、労組などとの協定、出向予定者の同意

(契約は、出向元と出向先の間で、期間、処遇、賃金額、負担割合などを取り決める)

[2]計画届の提出、要件の確認

[3]出向の実施(1か月~1年)

[4]支給申請、助成金受給

 

 

【参考】厚生労働省リーフレット:「雇用シェア」(在籍型出向制度)を活用して、従業員の雇用を守る企業を無料支援します!

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000682586.pdf