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名刺の連絡先に広告宣伝のメール等を送ってもよいか?などQ&Aで見解が示される

個人情報保護員会から、『「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」に関するQ&A』を更新したとのお知らせがありました(令和2年9月1日公表)。

 

今回の更新で追加されたQ&Aのうち、企業において身近な内容といえるものを一つ紹介します。

 


Q:名刺交換により取得した連絡先に対して、自社の広告宣伝のための冊子や電子メールを送ることはできますか?

Q&A/ガイドライン(通則編)/個人情報の取得/利用目的の通知又は公表/Q3-12-2

 

A:個人情報取扱事業者の従業者であることを明らかにした上で名刺を交換した場合、相手側は名刺を渡した者が所属する個人情報取扱事業者から広告宣伝のための冊子や電子メールが送られてくることについて、一定の予測可能性があると考えられます。

 

この場合に、従業者が取得した名刺の連絡先に対して自社業務の広告宣伝のための冊子や電子メールを送ることは、「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」に該当すると解されます。

 

業務時間外や、事業場外で名刺交換した場合であっても、個人情報取扱事業者の従業者であることを明らかにした上で名刺交換を行った場合は、同様に「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」に該当すると解されます。

 

現行の個人情報保護法では、個人情報取扱事業者は、保有個人データを法第16条の規定に違反して取り扱っている場合又は法第17条の規定に違反して取得した場合でなければ、当該保有個人データの利用の停止又は消去の請求に応じる義務はありませんが、顧客から寄せられた冊子や電子メールの送付の停止等の要求を苦情として扱った上で、適切かつ迅速に処理するよう努めなければならず(法第35条第1項)、令和2年改正法(未施行)において利用の停止又は消去の請求の要件が緩和されたことにより将来的には対応が必要になる場合があることも踏まえ、適切に利用停止又は消去の請求に応じることが望ましいと考えられます。

(以下略)

 

 

上記のQ&Aは確認的な内容といえますが、その前提として、名刺も、企業における業務の用に供するために使用するのであれば、企業の個人情報データベース等に該当することになりますので、個人情報取扱事業者として、個人情報保護法に沿った管理をきちんと行うようにしましょう。

 

その上で、資料等を送付した後、相手側から、「今後、送付等はやめていただきたい」といった請求があった場合は、上記のQ&Aの後半にあるように、「適切に利用停止又は消去の請求に応じることが望ましい」とされていることに注意しましょう。

 

 

【参考】個人情報保護委員会>「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」及び「個人データの漏えい等の事案が発生した場合等の対応について」に関するQ&A

https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/2009_APPI_QA/

 

【参考】個人情報保護委員会>法令・ガイドライン等

https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/