慶弔関係、財産形成、食事・住宅等の提供や補助が中心だった法定外の福利厚生が、「働き方改革」等を背景に多様化が進行しており、企業では福利厚生メニューの見直しが進んでいるようです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」の結果を公表しています。
福利厚生施策の動向
本調査からは、次のような傾向が見られます。
●施策がある割合
慶弔休暇制度(90.7%)、慶弔見舞金制度(86.5%)、病気休職制度(62.1%)、永年勤続表彰(49.5%)、人間ドック受診の補助(44.6%)といった順になっています。
●従業員の重視する点
現在の勤務先を選ぶにあたって福利厚生制度の内容を重視したかを尋ねる項目では、
全体では、「ほとんど考慮しなかった」(42.3%)が最も多く、次いで「ある程度は重視した」(31.4%)となっており、企業規模での差や就業形態別での差はあまりないようです。
一方で、年齢別にみると、特に「ある程度は重視」との回答が
20歳代で43.9%、30歳代で33.6%と高く、さらに女性の20歳代(47.0%)・30歳代(37.3%)で男性より高くなっています。
仕事と家庭の両立が課題となる世代が福利厚生制度を重視しているようです。
仕事と生活の両立支援、自己啓発、労働時間・休暇制度の見直しといった多様化がうかがえる結果となっており、実施にあたり企業はこうした視点を重視する必要があるようです。
テレワークは今後の最重要課題
本調査は2017年に行われているため、福利厚生施策としてのテレワークの導入比率は少ない(1.6%)ですが、現時点では状況は一変しており、テレワークの導入・運用は喫緊の課題となっています。
テレワークを取りあえず導入してみたけれども、うまくいかない、旧来のやり方にこだわる空気がぬぐえない、具体的にどう運用するのかわからない……といった悩みを抱える職場も多いことでしょう。
テレワークの導入・運用に関わる従業員(具体的には、現場のマネージャークラス等)には、テレワーク導入のための知識、実際に仕事を効率化するためのノウハウ、社内の空気を変えるための啓蒙・指導方法など、多くのことが求められています。
【参考】独立行政法人労働政策研究・研修機構>企業における福利厚生施策の実態に関する調査
https://www.jil.go.jp/institute/research/2020/203.html
【参考】厚生労働省>テレワーク総合ポータルサイト