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公益通報者保護法が改正されました!

公益通報者保護法の一部を改正する法律案が6月8日に成立、同月12日に公布されました(令和2年法律第51号)。

 

公益通報者保護制度とは、、、

公益通報者保護制度とは、国民生活の安心や安全を脅かすことになる事業者の法令違反の発生と被害の防止を図るため、公益のために事業者の法令違反行為を通報した事業者内部の労働者に対する解雇等の不利益な取扱いを禁止する制度です。

 

以下、公益通報者保護制度の概要と改正内容について紹介します。

 


改正1:事業者自ら不正を是正しやすくするとともに、安心して通報を行いやすくする

事業者自ら不正を是正しやすくするとともに、安心して通報を行いやすくするめ、

 

①事業者に対し、内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備等(窓口の設定、調査、是正措置等)が義務付けられます(従業員数300人以下の中小事業者は努力義務)。

 

また、

①の実効性を確保するために、②行政措置(助言・指導、勧告および勧告に従わない場合の公表)が行われます。

 

さらに、

③内部調査等に従事する者に対し、通報者を特定させる情報の守秘が義務付けられ、違反した場合には刑事罰が科されます。

 

 

改正2:行政機関等への通報を行いやすくする

行政機関等への通報を行いやすくするため、①権限を有する行政機関への通報の条件(現行は「信じるに足りる相当の理由がある場合の通報」)に「氏名等を記載した書面を提出する場合の通報」が追加されました。

 

また、

②報道機関等への通報の条件(現行は「生命・身体に対する危害」)に、「財産に対する損害(回復困難または重大なもの」が追加され、また、「通報者を特定させる情報が洩れる可能性が高い場合」も追加されました。

 

さらに、

③権限を有する行政機関における公益通報に適切に対応するために必要な体制の整備等についても規定されました。

 

改正3:通報者がより保護されやすくする

内部通報・外部通報の実行化を図るため、

①労働者だけでなく、退職者(退職後1年以内)や役員も保護対象とし、

②保護される通報について、現行は刑事罰の対象となる通報だけであるところ、行政罰の対象となる通報も保護されることになります。

また、

③保護の内容について、通報に伴う損害賠償責任の免除を追加しました。

 

施行は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日となります。

 

 

【参考】消費者庁>公益通報者保護法の制度と概要

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/overview/