「レジリエンス」をご存じですか?
これは逆境や困難を乗り越える力を表す概念で、メンタルヘルスの分野では「逆境でも折れない、しなやかな心の強さ」といった意味合いで使われます。
その定義は人・団体によりさまざまですが、アメリカ心理学会では、「逆境、心的外傷、悲劇、脅威、あるいは家族や人間関係問題、深刻な健康問題などから派生したストレスに直面したときに、それにうまく適応するプロセス」であるとしています。
ビジネス分野での関心の高まり
経済環境がめまぐるしく変化し、企業間の競争も激化している中、逆境や困難にあっても高いパフォーマンスを発揮することのできる人材が強く求められるようになってきています。
また、メンタルヘルス不調による休職等の問題に対応するため、不調を事前に防ぐ一次予防として個人のメンタルタフネスを高める重要性が指摘されているところです。
こうした状況を背景に、近年、レジリエンスへの関心・注目度が高まっており、レジリエンスを習得するための研修を実施する企業も増えてきました。
新型コロナ対応としてのレジリエンスにも注目
レジリエンスが高い人物はさまざまな場面で活躍することが期待できます。
具体的には、レジリエンスを高めることで、柔軟な思考や試練に負けないたくましさが身につき、仕事でのトラブルやミス、責任の大きな局面にも適切な対応が可能になるとされています。
特に現在は、新型コロナ・在宅勤務のストレス対応としてのレジリエンスに注目が集まっています。
アメリカ心理学会は、レジリエンスについて、
「人が持っている・持っていないなどの適性ではなく、困難な経験からの回復を意味する行動や思考、行為が含まれ、誰でもが学習し発達させることができる」ものであるとしています。
誰でも後天的に習得することができるものですから、社員の能力開発の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。