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新型コロナウイルス感染拡大下における株主総会運営

経済産業省は法務省とともに、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、より安全に企業が株主総会を開催するために、株主総会の運営上想定される事項についての考え方をまとめた「株主総会運営に係るQ&A」を公表しました。

 

そこでは、以下の見解が示されています。

 


株主総会運営に係るQ&A概要

[1]株主総会の招集通知等において、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために出席を控えることを呼びかけることは可能である

 

[2]新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるために、会場に入場できる株主の人数を制限することは可能である

 

[3]その際に、株主総会への出席について事前登録制を採用し、事前登録者を優先的に入場させることが可能である

 

[4]発熱や咳などの症状を有する株主に対し、入場を断ることや退場を命じることは可能である

 

[5]新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるために、株主総会の時間を短縮すること等が可能である

 

定時株主総会の開催時期

開催時期についても、柔軟な対応が可能であるとの見解を示しています。定款所定の時期に定時株主総会を開催すべきこととされている会社において、天災等その他の事情によりその時期に定時株主総会を開催できない場合には、当該状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りるとしています。

 

ただし、定款で定められた定時株主総会の議決権行使の基準日から3か月以内に定時株主総会を開催できない状況が生じたときは、新たに議決権行使の基準日を定めなければなりません。

 

そのためには、当該基準日の2週間前までに、当該基準日および基準日株主が行使することができる権利の内容を公告する必要があります。

 

ハイブリッド型バーチャル株主総会

上記の見解があっても、実際に株主総会の日程を動かすのは容易ではありません。

 

経産省は、「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を策定し、株主に株主総会の開催場所での参加を認めるとともに、株主がオンラインで参加することも許容するハイブリッド型バーチャル株主総会の実施を提案しています。

 

本来は、企業と株主・投資家の対話を促すための環境整備を目的としていましたが、実際に集まることが難しい状況下において、リスクを軽減しつつ、株主総会を運営する手段として注目されています。

 

 

【参考】経済産業省>新型コロナウイルス感染症関連>株主総会(オンラインでの開催等)、企業決算・監査等の対応

https://www.meti.go.jp/covid-19/kabunushi_sokai.html

 

【参考】法務省>新型コロナウイルス感染症に関する情報はこちらに掲載しています>定時株主総会の開催について

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00021.html

 

【参考】経済産業省>「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を策定しました

https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200226001/20200226001.html