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今年の健診ではプラス「風しん抗体検査」受診を

風しんは、本来1~4歳までの子どもが発症しやすい感染症ですが、現在、最も患者数が多いのは40~50代の成人男性です。

 

流行は2018年7月頃から始まり、2015~2017年には200人未満だった患者数が、2018年は2,946人、2019年は2,306人と急増しています。

 

この流行を受け、アメリカの疾病対策予防センター(CDC)では、予防接種を受けていない人や妊娠中の女性の日本への渡航をなるべく控えるよう警告しているほどなのです。

 


抗体がなく感染リスクが高い人は?

風しんウイルスの感染力は、1人から6~7人に感染するほど強く、これはコロナウイルスより強いといえます(コロナウイルスの感染力は暫定値で1.4~2.5人)。

 

予防方法は、ワクチンの接種を受けるのが最も有効ですが、1962年4月2日から1979年4月1日までの間に生まれた男性は、子どもの頃に一度も予防接種を受ける機会がありませんでした。

 

そのため、現在最も感染リスクが高くなっているといえます。

 

厚生労働省の風しん対策(抗体検査)

2022年3月31日までの期間限定で、上記の予防接種を受ける機会がなかった男性を対象に、抗体検査や予防接種を受けるために医療機関や健診会場で提示する受診券(クーポン券)を発行し、住んでいる市区町村から送付しています(1962年4月2日から1972年4月1日までの間に生まれた男性へのクーポン券発送は2020年4月1日から)。

 

クーポン券を健診会場に持参すれば、原則無料で抗体検査が受けられます。

また、検査結果から抗体の数が十分でないことがわかった人は、無料で予防接種も受けられます。

 

受診で従業員と家族の健康が守られます

風しんを発症した場合の症状は、発熱、発疹やリンパ節の腫れなどですが、風しんに免疫のない女性が妊娠初期にかかると、胎児に先天性の心疾患や難聴、白内障などの障害(先天性風しん症候群)を引き起こします。

 

つまり、家族に感染させたときにより深刻な症状となり得るのです。

 

今年度クーポン券が送付された人のうち、これまでに実際に抗体検査を受けた人は16.1%と、感染拡大防止に十分な人が受けたとは言えない結果となっています。

 

ぜひ、従業員とその家族の健康を守るためにも、2020年の健康診断にはクーポン券の持参と「風しん抗体検査」の受診を呼びかけてあげてください。

 

 

【参考】厚生労働省>風しんの追加的対策について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/rubella/index_00001.html