母子世帯・父子世帯の世帯数は、平成27年の国勢調査によると、母子世帯で754,724世帯、父子世帯で84,003世帯でした(平成27年10月1日現在)。
子育てと就業の両立が難しいなどの理由から、母子家庭の母、父子家庭の父の就業は困難なことも多いと思われます。
社員には安心して長く働いてもらいたいと考える企業にとって、ひとり親従業員に対して何ができるでしょうか。
「はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰」受賞企業の取組策
厚生労働省では、ひとり親家庭の就業支援に積極的に取り組んでいる企業や団体を表彰する「はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰」を平成18年から行っています。平成30年度に受賞した企業の取組みを見てみましょう。
株式会社ヨシケイ(埼玉県/夕食材料等の配達事業)
●社員から「本音の困りごと」を聴き取り、常に職場環境の改善を重ねる
●子供を家で待たせないために定時退社の促進。家族での時間を確保するため、有給休暇の取得を促進
●完全週休2日制。ノー残業
●婦人科検診実施や人間ドックの補助
●子供が病気でも休めるバックアップ体制
株式会社羽島企画(岐阜県/福祉・介護サービス事業等)
●定時退社、夜勤時間帯の就労免除
●0~2歳児の保育料援助(提携保育園へ預ければ保育料無料)
●会社行事への子連れ参加など
有限会社ライフケア(熊本県/福祉・介護サービス事業等)
●保育園で預かってもらえないときの子連れ出勤
●時間単位有給休暇取得制度など
企業に対する厚生労働省の助成金
[1]特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
ハローワーク等の紹介で、ひとり親を継続して雇用する労働者として雇い入れた事業主に、賃金の一部に相当する額を助成。
[2]トライアル雇用助成金
ハローワーク等の紹介で、ひとり親を一定期間(原則3カ月)試行雇用する事業主に、助成金を支給。
[3]キャリアアップ助成金の加算
キャリアアップ助成金正社員化コース(有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成)を実施する際に、対象労働者がひとり親の場合に助成金を加算。