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「心の病」は10~40代で共通課題

日本生産性本部のアンケート調査によると、「心の病」の多い年齢層が10代~20代、30代、40代の各区分で約30%ずつを占め、50代を除き、10代から40代で共通の課題となっていることがわかりました。

 

また、10代~20代での割合は増加し、初めて3割を超えています。

 


割を食っている40代?

調査結果を見ると、10年ほど前の調査では、30代が6割前後を占めていたので、そのころの30代が40代になってもメンタルヘルスの問題が持ち越されているように見えます。一方、10代~20代については10年ほど前のおよそ2倍超となっています。

 

現在の40代には就職氷河期世代に該当する人たちがいます。

“割を食っている世代”でもあり、年功制の崩壊とともに役割・権限の変化のなさ、人手不足と働き方改革等による現場への重圧といった要因もあり、心の病の増減について「横ばい」との回答が減少し、「増加傾向」が増えている調査結果もうなずけるものがあります。

 

ストレスチェックの課題

また、この調査では、ストレスチェックについての課題として、「集団分析結果の活かし方」を挙げている企業が3分の2を占めています。

 

集団分析の結果を報告しても、あとの対応は個人任せとなっている状態では、効果的とは言えないでしょう。ストレスチェックを外部に委託する場合、見やすく活用しやすい結果をもらえる業者を選んだり、結果の経年変化も作成できるか、といった気を付けるべき点があります。

 

50代はメンタルヘルス以外の問題も多い

なお、この調査では50代の心の病は多くないとの結果が出ています。

しかし、40代後半から50代にかけては親の介護や本人の健康問題などが多発してくる年代です。

厚生労働省の調査でも、心筋梗塞や脳卒中は50代から急増するとされています。

 

現時点では、来年の東京オリンピックを前にした景気の良いイメージがまだあるようですが、景気減速のサインがちらほら出てきてもいるようです。社員の健康リスクは経営リスクとなるという認識も広まり、積極的に対策をとる企業が増えています。景気が冷え込んだ際に心の病まで増加しないよう、組織風土や仕事の見直しにより、長時間労働の抑制や健康経営の推進に取り組む必要があります。

 

健康あっての仕事です。

 

 

【参考】日本生産性本部>第9回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果

https://activity.jpc-net.jp/detail/mhr/activity001577/attached.pdf