関東地方で地震が頻発しているというニュースに接し、改めて「災害への備え」について考えたという方も多いのではないでしょうか。
企業には、災害への備えとして、人命の安全確保や物的被害の軽減のための対策、事業継続(BCP)の視点からの対策を講じておくことが求められます。中でも重要なのは、「従業員の安全を守る」ための対策です。
災害に係る企業の安全配慮義務
企業は従業員に対する安全配慮義務を負っていますが、自然災害についても、状況によって法的責任があるものと考えるのが妥当です。
たとえば東日本大震災での津波被害に係る七十七銀行事件判決(仙台地判平成26年2月25日・仙台高判平成27年4月22日)では、企業は社員の生命や健康が自然災害の危険からも保護されるよう、安全に配慮する義務を負う旨が述べられています。
従業員を守るための対策
企業の安全配慮義務を果たし、従業員を災害から守るための対策としては、たとえば、災害時の対応マニュアルを策定して従業員向けに周知徹底しておくこと、防災訓練を実施することが挙げられます。
また、社内の防災体制を整備するとともに、災害時の安否確認の方法についても情報を共有しておきましょう。
いずれも当然のことではありますが、いざ事が起こったときには、当然のことがきちんと行われていたかが問われます。
首都直下型地震や南海トラフ地震も、いつ発生しても不思議ではないとされています。
できるだけ早期に、「従業員の安全を守るための備え」ができているか、改めて確認しておきましょう。
【参考】中小企業庁>経営サポート「経営安定支援」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/index.html