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障害者向けにスタートした「就労パスポート」

厚生労働省は、障害のある方の就職や職場定着を図るための情報共有ツールとして「就労パスポート」を作成・公開しました。

 

就労パスポートは、主に精神障害、発達障害、高次機能障害のある方(それ以外の障害のある方も活用が可能)を対象に、仕事をする際の自分の特徴やアピールポイント、希望する配慮などを支援機関と一緒に整理しながら作成するものです。

 

企業は、障害のある方の採用選考時(必須提出書類ではない)や採用後に自分の特徴を職場の上司や同僚などに説明する際に活用できます。

 

また、本人の障害理解や支援機関同士での情報連携等を進めるとともに、企業の障害理解、職場環境整備の促進、支援機関との情報共有にも活用できるとしています。

 

同省は今後、就労パスポートの普及のために支援機関と企業を対象に活用方法に関するセミナーを全国で開催するとしています。

 


記載できる項目

就労パスポートの様式、活用の手引き、活用ガイドラインは、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。

 

様式はExcelファイルで作成され、次の項目について記載できます。

 

1 職務経験

2 仕事上のアピールポイント、

3 体調管理と希望する働き方

4 コミュニケーション面

5 作業遂行面

6 就職後の自己チェック

7 (参考)支援機関

 

 

内容の更新と情報の取扱いについて

就労パスポートは、内容を更新することができます。更新のタイミングとして、「職場定着上の課題が生じ、それを解決した時。または、課題の発生を防ぐための工夫を実践し効果が見られた時」や「本人のストレス対処やコミュニケーション、作業遂行などに関するスキルの向上が見られた時」に、本人からの希望と周囲が必要性を感じる場合が想定されます。そして、本人と企業の担当者、支援機関の三者が更新内容について話し合いの上、決定します。

 

また、更新した就労パスポートの写しの保管・共有と更新前の就労パスポートの写しの回収・廃棄または保管・共有については、本人の意向を尊重して取扱う必要があります。

 

就労パスポートは個人情報として取り扱われるため、情報共有と利用目的、その範囲について本人に説明し同意を得る必要があります。

 

参考様式として、「就労パスポートの情報取得と情報共有に関する同意書」が前述の厚生労働省ホームページの「事業者向けガイドライン」内に掲載されています。

 

 

【参考】厚生労働省>就労パスポート

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/06d_00003.html