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労働者不足への対処法~労働経済動向調査からわかる他社の取組み

厚生労働省から、「労働経済動向調査(2019年8月)」の結果が公表されました。

 

同調査は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しているものです。

 

今回は、特別調査項目として挙がった「労働者不足の対処方法」について取り上げ、労働者が不足していると回答した企業が、人手不足対策として、どのような取組みを行っているのか、みていきます。

 


トップは『正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加』

現在、労働者が不足していて、かつ、過去1年間に何らかの「対処をした」事業所の割合は70%、今後1年間に「対処をする予定」の事業所の割合は66%でした。

 

対処策としては、過去1年間・今後1年間とも『正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加』の割合が最も多く挙がりました(過去1年間:63%、今後1年間:61%)。

 

ほかには、「臨時、パートタイムの増加」(過去1年間:44%、今後1年間:44%)、『派遣労働者の活用』(過去1年間:40%、今後1年間:36%)、『配置転換・出向者の受入れ』(過去1年間:24%、今後1年間:23%)が続いています。

 

賃金アップよりも社員の働きやすさを重視?

賃金以外の在職者の労働条件の改善として、休暇の取得促進、所定労働時間の削減、育児支援や復帰支援の制度の充実などに取り組んでいます(過去1年間:63%、今後1年間:34%)。

 

これら労働条件の改善は、前回調査(2018年8月)と比べると上昇幅が最も大きく(前回:24%、今回:34%)、企業は、社員が働きやすい環境の整備に力を入れているようです。

 

上昇幅では上記賃金以外の在職者の労働条件の改善がトップでしたが、次いで『在職者の労働条件の改善(賃金)』(前回:29%、今回:33%)が、ほかに『離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用』(前回:34%、今回:38%)なども上昇しています。

 

その他の対策は?

『求人条件(賃金、労働時間・休暇、学歴、必要資格・経験等)の緩和』(過去1年間:63%、今後1年間:31%)、『省力化投資による生産性の向上・外注化・下請化等』(過去1年間:63%、今後1年間:31%)も対策として挙がっています。

 

 

【参考】厚生労働省>労働経済動向調査

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/43-1.html