大阪商工会議所が実施した調査では、70.3%の企業で、外国人従業員を「現在雇用しておらず、今後も採用予定はない」とのことです。
また、「今後、外国人従業員の採用予定がある」(「現在雇用しており、今後も採用を続ける予定」「現在は雇用していないが、今後採用する予定」の合計)との回答が24.7%、「現在雇用している」という企業でも、28.6%が「今後採用の予定はない」と回答している状況をみると、政府が盛んにすすめる外国人雇用ですが、まだまだ浸透には時間がかかりそうです。
製造業・非製造業での差異
本調査の対象は、大阪商工会議所会員の中堅~小規模企業(2,865社、回答231社)です。
「採用予定なし」(現在も、今後も)とした回答の内訳を見てみると、資本金5,000万円以下の企業で70%を超え、5,000万円超~3億円以下の企業で59.3%、3億円超の企業でも50%となっています。
回答内容を製造業・非製造業別にみると、外国人従業員の雇用予定については、いずれも同様の傾向にあり、7割前後の企業が採用予定なしと回答しています。一方、採用に前向きな企業は、「日本語での意思疎通が問題なく行え(日本語能力試験2級)、日本人同様の業務を行える人材」を希望する層が多く、非製造業ではより高度な日本語能力を希望しています。
外国人雇用の課題
外国人従業員の雇用にあたっての課題としては、「言語・文化・風習・宗教などの問題」を挙げる企業が製造業・非製造業とも多く、次いで、製造業では「指導を担当できる人材がいない」、非製造業では「そもそも外国人を採用してまでの業務がない」を挙げる企業が多くなっています。
もちろん、地域や業種の特徴により差異はあるとは思われます。
しかし、通説的に、オリンピック終了後は、開催国の景気が冷え込むということがいわれており、経済情勢も世界的に不透明になりつつありますので、採用に関する判断は慎重に行いたいものです。
【参考】大阪商工会議所>「中堅・中小企業の経営課題に関するアンケート調査」結果について(令和元年5月9日)
http://www.osaka.cci.or.jp/Chousa_Kenkyuu_Iken/Iken_Youbou/190509ank.pdf