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マイナンバーカードの普及・利活用の促進と企業実務への影響

6月4日のデジタル・ガバメント閣僚会議で、「マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針」が公表されました。

 

その柱は下記の4点です。

 

1.自治体ポイントの活用(令和2年度;消費活性化策)

2.マイナンバーカードの健康保険証利用(令和3年3月から)

3.マイナンバーカードの円滑な取得・更新の推進等

4.マイナンバーカードの利便性、保有メリットの向上、利活用シーンの拡大

 

このうち企業の実務に影響があるのは、2の健康保険証利用です。

 


健康保険証への利用実現へ向けて

マイナンバーカードを健康保険証として利用することにより、(1)医療の質の向上、(2)被保険者の利便性の向上が期待されますが、環境整備も必要です。医療機関側でマイナンバーカード利用のための端末、システムを整備するための支援が検討課題です。

 

保険者からも円滑な移行を促すため、保険者から事業主、加入者等へのマイナンバーカード取得要請とそのフォローアップを行うとともに、保険者による被保険者のマイナンバーカードの初回登録の促進を図るとされています。

 

企業の総務事務の効率化を促進するための方策

マイナンバーカードの健康保険証利用は、企業の健康保険に係る事務のコスト縮減につながることが期待されます。

さらに、マイナンバーカードの民間活用等を通じて社員の健康管理への活用等が促進されるよう、モデル事業等を行うとされています。

 

また、マイナンバーカードの社員証等の各種証明としての活用が促進されるよう、利用手続の簡素化等を実施するとともに、令和2年(2020年)11月頃より、企業が行う従業員の社会保険・税手続のワンストップ化を開始できるよう取組みを推進します。

 

あわせて、令和2年(2020年)4月より、情報システムに係る調達等において、マイナンバーカードの普及実績等を評価する仕組みを導入します。

 

社会保険・税手続きのワンストップ化の流れ

政府の報告によれば、従業員の採用、退職等のライフイベントに伴う社会保険・税手続きについては、

 

[1]令和2年(2020年)11月からマーナポータルを通じたオンライン・ワンストップ化を開始し、

[2]令和3年度(2021年)後半から、企業が保有する情報のクラウドを活用した提出の実現を目指すとされています。

 

マイナンバーカードの普及はそれに向けての重要な役割を担っており、情報漏洩のない安全な運用が期待されます。

 

 

【参考】首相官邸HP>会議等一覧>高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部)>関係会議等>デジタル・ガバメント閣僚会議>第4回議事次第

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dgov/dai4/gijisidai.html