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近い将来「VRオフィス」は新しい職場となるのか

「VR」とは、VirtualReality「バーチャルリアリティ」(仮想現実)の略語です。

 

ゲーム業界ではすでに定着していますが、その他の業種でいえば、不動産業界では、不動産テックの一つとして、コンピュータグラフィックスや音響効果を組み合わせて、人工的に現実感を作り出し、現地まで足を運ばなくても内覧できる「VR内覧」等も、既に一般的に活用されています。

 

そこで、VR空間にオフィスを構え、社員がそこに通勤する「VRオフィス」についてご紹介します。

 


「VRオフィス」とは

「VRオフィス」の仕組みは、インターネット上の仮想現実の空間にオフィスを構え、そこに社員が出社するといったものです。米国で急成長した不動産会社、eXpRealityが有名です。

 

通常VRは、専用端末のヘッドマウントディスプレイが必要な場合が多いですが、eXp社で使用しているソフトはその必要がなく、マイク付きヘッドホンを使用しモニター画面で見る方法です。

 

 

社員は専用ソフトをダウンロードして、ゲームの要領で自分のキャラクター(アバター)を作成します。

そのアバターがVRオフィスに出社します。

イメージとして、ボタン1つでアバターが会社のエントランスに出現します(出社)。

 

そこから、ホールのようなところで会議をしたり、研修を受けたり、打合せをしたりと仕事をこなします。

ほかの社員(アバター)に話しかけたり、一緒にエクササイズをしたり、仕事以外のことも共有することができます。

 

今後どれほど定着するのか

ニューヨークでは、この一年で、オフィス賃料の高騰で事業の採算が合わなくなり廃業に追い込まれた不動産会社が複数あるといいます。VRオフィスについては、賃料はまったくかかりません。通勤するための時間も労力もかかりません。

 

eXp社でいえば、毎週金曜日朝の定例会議に、全米の各地にいる従業員(約700人)のアバターがVRの会議室に集まります。近くに行って話しかければ、アバター同士で情報共有ができます。2013年に株式公開し、6年間で10倍になったeXp社は、絵に描いたような成功を納めています。

 

日本に目を向けてみると、東京のコンテンツ制作会社「HIKKY」がVRオフィスを構えています。

テレワークの一つとして捉えられるVRオフィス、職種や業種が限られる場面もあるかもしれませんが、今後のオフィススタイルの一つとして今後ますます注目が集まりそうです。