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新卒採用者の3年以内の離職率、平成30年は31.8%

例年、5月の大型連休後は、新社会人など若手が新しい環境に適応できずうつ病のようになってしまう、いわゆる「5月病」の時期とされています。

 

特に今年は、10日間もの連休となったため、「早期離職を考える人」「大型連休中に転職活動をした人」が例年よりも多い傾向にあったとする一部報道も見られました。

 

ここでは、新卒入社3年以内の早期離職についてとりあげます。

 


平成30年間の「3年以内の離職率」推移

厚生労働省が毎年公表している「新規学卒者の離職状況」によると、新規学卒就職者(本稿では大卒のみ。以下「新卒採用者」)の3年以内の離職率は、平成30年で31.8%でした。

 

離職率を平成の30年間で比較すると、最も低い年で23.7%(平成4年)、最も高い年で36.6%(平成16年)となっており、年によって多少の変動はあるものの、昨年の31.8%という結果は平均値に近いものとなっています。

いつの時代も、おおむね3~4人に1人の新卒採用者が、3年以内に辞めてしまうと言えます。

 

ちなみに、業種別では、離職率が高い順に、宿泊業・飲食サービス業(49.7%)、教育・学習支援業(46.2%)、生活関連サービス業(45.0%)という結果でした。

 

「3年以内の離職」の理由1位とは?

では、新卒採用者は、具体的にどのような理由で早期離職しているのでしょうか。

内閣府「平成30年版子供・若者白書」によれば、初職の離職理由(複数選択可)として最も多く挙げられたのは「仕事が自分に合わなかったため」(43.4%)で、2位以下の「人間関係がよくなかったため」(23.7%)、「労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため」(23.4%)を大きく引き離す結果となりました。

 

新卒採用者の場合、人間関係のトラブルや労働条件よりも、「仕事(業務)のミスマッチ」が原因で辞めてしまうケースが多いようです。

 

この時期、自社の新卒採用者においても「仕事が自分に合わない」と感じている者がいないかどうか目を配ってみると、離職の予防につながるかもしれません。

 

 

【参考】厚生労働省HP>新規学卒就職者の離職状況(平成27年3月卒業者の状況)を公表します

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00001.html

 

【参考】内閣府HP>平成30年版子供・若者白書

https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h30honpen/pdf_index.html