厚生労働省は、平成30年度6月時点の民間企業の障害者雇用状況を公表しました。
集計結果によると、民間企業で雇用されている障害者数は53万4,769.5人(短時間労働者は0.5人で計算、前年より3万8,974.5人増加)で、15年連続で過去最高を更新しました。
また、実雇用率は2.05%(前年比0.08ポイント増)で、7年連続で過去最高を更新しましたが、法定雇用率(2.2%)を達成した企業の割合は45.9%(前年比4.1ポイント減)でした。
なお、平成30年4月施行の改正障害者雇用促進法により、民間企業の障害者雇用の対象が従業員数「50人以上→45.5人以上」、法定雇用率が「2.0%→2.2%」に拡大され、算定の対象に「精神障害者」が追加されました。
障害種別、企業規模別の状況
障害種別にみると、身体障害者は34万6,208人(前年比3.8%増)、知的障害者は12万1,166.5人(同7.9%増)、精神障害者は6万7,395人(同34.7%増)でした。特に精神障害者の雇用者数が大幅に伸びています。
また、企業規模別にみても、45.5人~50人未満、50人~100人未満、100人~300人未満、500人~1,000人未満、1000人以上、すべての企業規模区分で障害者雇用者数が前年より増加しました。
しかしながら、企業規模別の実雇用率は、全体の実雇用率(2.05%)に到達している企業は500人~1,000人未満、1,000人以上規模以上の企業規模のみとなっています。法定雇用率達成企業の割合も、すべての企業規模区分で前年より減少となりました。
法定雇用率未達成企業の状況
法定雇用率の未達成企業は5万4,369社(全体の54.1%)でした。
また、そのうちの64.0%は不足数が0.5人または1人である1人不足企業でした。
さらに、障害者を1人も雇用していない障害者雇用ゼロ企業は3万1,439社で、未達成企業に占める割合は57.8%と6割近くを占めています。
現在、法定雇用率未達成企業には、法定雇用率に対し不足する障害者1人につき月5万円の障害者雇用納付金の納付を義務付けています。
また、法定雇用率は、令和3(2021)年4月までにさらに「2.3%」への引上げが予定されています。企業の障害者雇用に関する関心はますます高まっていきそうです。
【参考】厚生労働省HP>平成30年障害者雇用状況の集計結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04359.html