副業を解禁するべきかの判断材料になる情報や、副業のメリットを享受したい企業がとるべきアクションを明らかにするため、総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームである株式会社パーソル総合研究所は、インターネット調査を通じて、副業に対する企業と個人の意識調査の結果を公表しました。
今回は、その調査結果から注目すべき内容を取り上げてまとめます。
副業の許可と禁止割合
10人以上の従業員が勤務する企業の人事担当者(1,641人)の回答によると、「全面的に許可している」が13.9%、「禁止していない(希望者がいれば条件付で許可)」が36.1%、「全面的に禁止している」が50%という結果になっています。
副業許可企業
副業許可の開始時期
副業許可企業に、許可を開始した時期を尋ねると、「1年以内」が22.8%、「2~3年前」が29.2%、「4~6年前」が22.8%と、働き方改革が叫ばれるようになったこの3年以内に許可を開始した企業が半数以上に上っていることがわかります。
副業許可の効果
副業許可の効果を尋ねると、「従業員の社外人脈の拡大」52.2%、「モチベーションの向上」50.3%、「スキル向上」49.7%と、メリットを実感している割合が高く、一方で効果を感じていないとの回答は18%未満と少ないことがわかりました。
副業禁止企業
企業規模別
副業禁止割合を企業規模別に見ると、10~100人未満の企業は43%台、100~500人未満企業で50%前後、1,000~1万人未満企業は60%近くあります。
設立年数別
10年未満企業の副業禁止割合は36.3%と最も少なく、50年以上企業は62.1%と最も高く、歴史のある企業ほど「全面的に禁止」の割合が高くなっていることがわかります。
禁止理由
副業禁止の理由を尋ねると、「従業員の過重労働につながるから」が49.2%と最も多く、「自社の業務に専念してもらいたいから」が47%、「疲労による業務効率の低下が懸念されるから」43.6%となっています。
副業禁止が何となく染みついている時代ですが、この調査によると、半数が副業を認めている(条件付許可も含む)実態がわかります。しかも、全面的に副業を許可している企業のほうが、社員のスキル向上やモチベーションのアップといったプラスの効果を感じているという結果も出ています。
今後は、コンプライアンスやリスク回避もしっかり踏まえて、今後ますます広がる“多様な働き方”に対応していく必要があるでしょう。