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同一労働同一賃金に関する指針の案などについて、労政審が妥当と答申

2018年11月27日に開催された「第15回労働政策審議会雇用・環境均等分科会同一労働同一賃金部会」において、正社員と非正規労働者の不合理な待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」に関する指針の案などが提示されました。

 

厚生労働省は、それらについて諮問を行い、労働政策審議会が「おおむね妥当」と答申しました。これで、内容はほぼ固まったということになります。

 

以下で、最も注目を集めている指針のポイントを紹介します。

 


短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針案(いわゆる同一労働同一賃金ガイドラインの案)のポイント指針の趣旨など

この指針は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間に待遇の相違が存在する場合に、いかなる待遇の相違が不合理と認められるものか否か等の原則となる考え方及び具体例を待遇ごとに示すものです。

(従来から案は示されていましたが、最近の判例などの動向に配慮して、必要な事項の追加などが図られています。)

 

指針の概要

●基本給、賞与は、職業経験や能力、貢献などに基づく相違を認めることとし、具体例が示されています(相違に応じた支給が必要)。

 

●通勤手当、出張旅費、食事手当などの各種手当、休憩室、更衣室、社宅の利用などの福利厚生については、基本的に待遇差は認めないこととし、具体例が示されています。

 

一方、退職手当、住宅手当、家族手当などについては、この指針に原則的な考え方や具体例が示されていませんが、「具体例に該当しない場合についても、不合理と認められる待遇の相違の解消等が求められる。このため、各事業主において、労使により、個別具体の事情に応じて待遇の体系について議論していくことが望まれる。」としています。

 

●定年後に再雇用された非正規の待遇については、年金支給などを考慮し格差を事実上容認した6月の最高裁判決(長澤運輸事件)を踏まえ、「さまざまな事情が総合的に考慮され、不合理か否かが判断される」としています。

 

●不合理な待遇の相違の解消等を行うに当たって、基本的に、労使で合意することなく通常の労働者の待遇を引き下げることについて、「望ましい対応とはいえない」と明記されています。

 

同一労働同一賃金は、働き方改革関連法の柱の一つで、2020年度(派遣事業主以外の中小企業は2021年度)から施行されることになっています。

上記の指針(ガイドライン)の適用は、その施行に合わせたものとなりますが、近く、正式に決定され、公布されることになると思われます。

 

施行・適用までに若干の期間がありますが、その間に、内容を確認し、対策を取っておく必要があるでしょう。