2018年12月6日、政府が年内に決定する経済・財政再生計画の原案が明らかになりました。
前回の策定から3年ぶりの全面改定で、今回は社会保障改革に関する項目が100近く盛り込まれるなど、大幅に増加しています。
工程表の作成は、昨年6月に安倍首相が経済財政諮問会議に指示していたもので、10日の会議で案が示され、2018年内にも決定される見込みです。
1年で雇用改革を断行
まず、2019年度は何歳になっても働ける「生涯現役」の社会づくりに取り組むと明記しています。
これまで65歳以上への継続雇用年齢の引上げについて検討されてきましたが、それを踏まえて改革を進めることが盛り込まれています。
11月26日の会議資料によれば、混乱が生じないよう、65歳までの現行法制度は改正を検討せず、65歳以上への継続雇用につき「一定のルールの下で各社の自由度がある法制を検討する」とされています。
さらに、高齢者や女性の就労拡大を促すため、短時間労働者への厚生年金・健康保険の適用拡大を図ることも盛り込まれています。
3年間で社会保障改革を
高齢者雇用の拡大と併せて、年金受給開始年齢を柔軟に選べるようにする改革、在職老齢年金制度の見直しを進めることも盛り込まれました。
さらに、マクロ経済スライドの仕組みや高所得者の年金給付の在り方についても検証するとしています。
上記会議資料によれば、「年金支給開始年齢の引上げは行うべきではない」とし、「年金受給開始の時期を自分で選択できる範囲は拡大を検討する」としています。
また、継続雇用年齢の引上げとともに、今夏に決定予定の実行計画において具体的制度化の方針を決定し、厚生労働省の労働政策審議会の審議を経て法律案提出を検討するとしています。
「人生100年時代」を見据え健康寿命を延ばす取組みも強化
政府は、中長期での社会保障費の削減に向け、健康寿命を延ばす取組みも強化します。
健診や保健指導の実施率を引き上げ、メタボリックシンドローム該当者やその予備軍を2022年度までに08年度比で25%減らすことを目指すとしています。