世界保健機関(WHO)は、オンラインゲームやテレビゲームに没頭し、生活や健康に支障をきたす状態を「ゲーム障害」(ゲーム依存症)という精神疾患として、「改訂版国際疾病分類(ICD-11)」で位置づけることを公表しました。
ICDは28年ぶりの改訂となり、ゲーム障害が国際的に疾病として認定されたことにより、適切な対策が求められることが懸念されます。
診断の基準と症状は?
WHOは、ゲーム障害の主な特徴として以下を挙げています。
- ゲームをする頻度や時間のコントロールができない
- 日常生活でゲームを最優先する
- 悪影響が出ているにもかかわらず、ゲームを続けたり、エスカレートする
こうした行動が少なくとも12か月続く場合に、ゲーム障害と診断される可能性があるとしています。
ゲーム障害が引き起こす症状として、睡眠不足、目の障害、腰痛、手首の腱鞘炎、肥満などが挙げられます。
また、引きこもりの状態や家庭内の暴力などの問題が起き、うつ病や自殺のリスクも高まるとしています。
死亡した事例も、、、
ゲーム障害は、パソコンやスマートフォンの普及に伴い、インターネットやオンラインゲーム、SNSに依存する人が急増し、社会問題となっています。
ゲームで相手よりも優位に立つためや、長時間続けるために高額を費やす人もいます。
韓国では、ネットカフェで86時間オンラインゲームを続けていたため「エコノミー症候群」になり死亡した事件が起こりました。これをきっかけに16歳未満の青少年に対し、オンラインゲームで遊ぶ時間を制限する制度を導入しました。
日本での取組みは?
2012年の厚生労働省の調査によると、成人約421万人、中高生約52万人がオンラインゲームゲームなどのネット依存の疑いがあると推計されています。
日本では、現在、ネット依存やゲーム障害について相談できる医療機関は25か所程度で専門医も非常に少ないのが現状です。
今後、医療機関や業界団体は、ゲーム障害の実態を把握し、治療法の改善や対応策を検討するとしています。