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調査結果からみる不妊治療と仕事の両立に関する実態と問題点

厚生労働省が平成29年度に実施した、不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての企業および労働者に対するアンケート調査の結果が3月に公表されました(「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査事業」の調査結果報告書)。

 

不妊治療と仕事の両立に関する実態や問題点、企業における両立支援の状況などの把握と分析を行うことを目的として行われたものです。

 


不妊治療と仕事の両立ができずに退職した人は16%に!

日本では現在、不妊治療・検査の経験がある、もしくは予定している人の割合は14%にのぼり、不妊治療をしたことがあると回答した人の中で、仕事との両立ができずに退職した人は16%に上っています。

 

ただ、半数以上の企業が、不妊治療を行っている従業員の把握ができておらず、また、不妊治療に特化した制度がある企業は19%にとどまっています。

 

職場での理解を深め、両立しやすい環境を整えることは、企業の人材の確保・定着にもつながると思われます。

 

両立が難しいと感じる理由

両立が難しいと感じる理由として、「通院回数が多い」「精神面での負担が大きい」「待ち時間など通院時間にかかる時間が読めない、医師から告げられた通院日に外せない仕事が入るなど、仕事の日程調整が難しい」などが挙がっています。

 

不妊治療に特化した制度

不妊治療に特化した制度がある企業のうち、一番多く導入されている制度は「不妊治療のための休暇制度」で、次に「不妊治療に係る費用等を助成する制度」「不妊治療のための通院や休息時間を認める制度」「不妊治療のために勤務時間等の柔軟性を高める制度」などがあります。

 

職場には伝えたくないという人も

不妊治療をしていることを職場で伝えている人の割合は38%です。職場で伝えていない理由として「不妊治療をしていることを知られたくないから」「周囲に気遣いをしてほしくないから」「不妊治療がうまくいかなかった時に職場にいづらいから」などが挙がっています。

 

 

厚生労働省HP

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000197936.html