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「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」で求められる企業の取組み

職業キャリアの長期化による働き方の多様化や、急速な技術革新や産業・事業構造の変化により、企業・労働者の双方から中途採用、転職・再就職のニーズが高まっており、転職・再就職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行の確立が求められています。

 

厚生労働省ではこうした観点から、企業が転職・再就職者の受入れ促進のため取り組むことが望ましいと考えられる基本となるべき事項等を示した「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」を策定しました。

 

 

厚生労働省HP

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000200616.html

 

画像:厚生労働省資料より引用

 


企業に望まれる取組み

  • 必要とする職業能力等の明確化及び職場情報等の積極的な提供
  • 職務経験により培われる職務遂行能力の適正な評価
  • 専門性の高い従業員の活躍機会の拡大
  • 従業者の主体的(自律的)・継続的なキャリア形成の促進
  • 公平かつ柔軟な処遇
  • 早期定着に向けた支援
  • 平素からの従業員に求める役割の明確化、職業能力の把握

年齢にかかわりない適正な評価・採用に向けて

指針では、例えば「必要とする職業能力等の明確化および職場情報等の積極的な提供」として、必要な人材の早期採用に向け、自社の現状や目指している方向性等を踏まえ、必要とする専門性等の職業能力の水準、範囲等を明確に整理したうえで募集・採用活動を行うことや、中途採用者と企業のマッチングおよびその後の定着を図る観点から、賃金等の労働条件や職務内容に限らず、期待する役割、職場情報、企業文化等の情報提供に積極的に取り組むことが望ましいとしています。

 

採用後の活躍支援として

また、「早期定着に向けた支援」として、即戦力として中途採用する場合も含め、中途採用者が企業に適応し能力を十分に発揮し続けられるよう、入社時における導入教育や社内人的ネットワーク形成の支援等、早期定着支援を積極的に行うことや、「従業員の主体的(自律的)・継続的なキャリア形成の促進」として、早い段階から従業員に自身のキャリア形成を考えさせる機会や、自身の職業能力を把握させる機会を提供することや、他企業への出向や他部門への異動の経験を積極的にキャリアパスに組み込むなど、職場環境や職務内容の変化に柔軟に対応し活躍できる人材の育成に努めること、転職者本人とかかわりのない取引先等への転職を禁止する競業避止義務については、長期・広範なものとならないよう、合理的な範囲のものとすることが望ましいとしています。