従業員の勤務の実態を〔使用者〕が適正に把握すること。これが勤怠管理の定義です。
勤怠管理は[出勤簿に出勤時刻、退勤時刻だけを記録すればそれで良い]というものではありません。
なぜなら、、、
法定外労働時間を確定するためには1日単位、1週間単位、変形労働時間制を採用している場合には変形期間単位ごとに法定外労働時間を確定した後、給与計算期間単位で取りまとめ、その値を賃金台帳>勤怠項目に正しく記入する必要があるからです。
それだけではありません。
年次有給休暇管理、特別休暇(慶弔休暇など)のほか、就業規則で振替休日、代休制度を運用する場合、それらの休暇管理も必要となります。
これらはすべて給与計算に関わってきます。
■■■■■■■■■■賃金台帳に記載する項目
■■■■■■■■■■賃金台帳
賃金台帳>勤怠項目に記入する値を作るまでのフロー
法定労働時間は1日8時間、1週間40時間なので、、、
- 【1日単位】勤怠を確定(承認)する。
- 【1週間単位】勤怠を管理する。
- 【変形期間単位】勤怠を管理する(変形労働時間制を導入している場合のみ)
- 【給与計算期間単位】勤怠を管理する。
勤怠管理が適切に行われていない限り、正しい給与計算はできません。
勤怠管理の目的は、賃金台帳>勤怠項目のためだけではありません。
適正な労働時間管理を実現するため
法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働させることはできません。
法定労働時間を超えて労働【させる必要】がある場合には、従業員の過半数を代表する者と36協定(時間外・休日労働に関する労使協定)を締結し、労働基準監督署に届出しなければなりません(実務上1年に1回、定期に締結+届出する)。
この36協定の締結+届出がない限り、会社が法定労働時間を超える労働(時間外労働)、休日労働を命じることはできません。現実に労働させた場合には、労働基準法違反を問われます。
労働基準法違反を問われるだけではありません。
- 電通事件(慢性的長時間労働→うつ病り患→入社1年5か月後に自宅で自殺)
- 最高裁まで争い会社が約1億6,800万円を支払う内容で、事件から10年後、和解が成立。
労働事件は、裁判沙汰になれば、
この事件のように「会社名+事件」で呼ばれます。
今の御時世、インターネットで検索すればすぐに見つけることができます。
会社の未来に「会社名+事件」があることを受け入れられますか?
病気に関する労災認定基準
- 脳・心臓疾患
法定労働時間を超える労働が月45時間を超えると業務起因性が高まる
- 精神障害
法定労働時間を超える労働が月100時間を超えると心理的負荷の強度を「強」と評価する
-
- 厚生労働省>精神障害の労災補償についてhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken04/090316.html
労災認定は事案ごと、諸事情を勘案して行われます。
長時間労働は従業員の肉体や精神にも悪影響を及ぼすと考えられています。
万が一、死亡、重度障害など重大な労働災害が発生してしまった場合には、、、
貴重な戦力である従業員を失う(欠勤、休業、退職)こととなってしまいます。
それだけではありません。
なぜ労災事故が起こってしまったのか?
労働基準監督署は徹底的に会社を調査(災害監督)します。
- もし会社の労務管理に法律的な問題があれば、、、「是正勧告」を受けます。
- 会社が労働基準監督署の調査に応じない、是正勧告に対応しないなど、労働基準監督署の指導等を受け入れない(=法令違反の状態を改善しない)のであれば、、、検察庁に「送検」されるかもしれません。
労災認定=「会社の業務命令が原因で従業員が被災した」ということ
労働諸法令違反のみならず、民事上の使用者責任を問われ、損害賠償請求問題に発展する可能性もあります。
労働生産性の向上を図るため
給与=時間額*労働時間
これが労働基準法に定める給与の原則です。
時間給制に限らず、月給制、日給制、年俸制にもこの原則が適用されます。
労働時間が長くなればなるほど、算定される給与額は多くなります。
法定労働時間を超えて労働させた場合には、
- 法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えた労働に対しては25%以上
- 深夜(午後10時から午前5時)の労働に対しては25%以上
- 法定休日(1週1日)の労働に対しては35%以上
の割増賃金を支払う必要があります。
これを実行しなければ、労働基準法違反です。
長い時間働いている=頑張っている=会社に貢献している?
残業させるということは、、、
労働基準法の定めにより、余計な賃金(割増賃金)の支払義務が発生します。
割増賃金を支払えば、
経費(給与)が増え、それに連動して→経費(法定福利費)が増えるので、
損益計算書(P/L)上の損金が増えます。
その結果、、、会社の利益は減ります。
割増賃金を支払うことにより、会社の利益が減ったとしても、その結果売上が上がり、残業させず割増賃金を支払わなかった場合と比較して、利益率が上がり、かつ、その利益率の維持、向上を図れるのであれば、やむを得ない残業と言えるかもしれませんが、、、、
もし残業の決定権を従業員任せにしているのであれば、、、
残業代を支払っているということは、
【会社の業務命令に従って従業員が残業しました】と会社が認めていること同じです。
不必要な残業代を支払っているかもしれません。
労働時間適正把握基準を基礎に、会社の意思で勤怠管理を実行し、その目的を達成することは
会社の利益を【合法的に】【効率よく】最大化させること同じです。
たかが勤怠管理、されど勤怠管理
やらなければ勤怠管理の目的である正しい給与計算を達成することはもちろんのこと、労働生産性を向上させる=会社の利益を最大化させるため検討もできません。
ひいては、【残業代が正しく支払われていない】と従業員に労働基準監督署に駆け込まれ、従業員の主張が真実であれば、過去2年分の残業代を【一括で】支払わなければならいことにつながるかもしれません。
賃金台帳>勤怠項目に記入する値を作るまでのフロー
法定労働時間は1日8時間、1週間40時間なので、、、
- 【1日単位】勤怠を承認(確定)する。
- 【1週間単位】勤怠を管理する。
- 【変形期間単位】勤怠を管理する(変形労働時間制を導入している場合のみ)
- 【給与計算期間単位】勤怠を管理する。
単にタイムカードに出勤時刻と退勤時刻を記録するだけでは、勤怠管理の目的は達成できません。
こんな危険な要素を含んでいる勤怠管理を
- そんなことやってられない、、、時間の無駄だ!!といって放置しますか?
- 紙のタイムカード、勤怠諸届を1枚1枚取りまとめこのフローに取り組みますか?
そんな面倒、無駄な費用を効率的に圧縮したい!
という方はWEB勤怠管理を活用してください。
勤怠管理の目的を実現することを第一目標に、WEB勤怠管理を適切に運用すれば、
【給与計算期間単位】勤怠を管理する=賃金台帳>勤怠項目に記入する値を取りまとめたデータは、
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